
それぞれの『なぜ』を皆と対話しながら。
入口 博希Hiroki Irikuchi
DM課 チーフ
(高等学校総合情報ビジネス科卒 / 2016年入社)
トライアンドエラーの繰り返し。
福島印刷に入社するまでは、家に届くダイレクトメール(DM)がどう製造されているのかなんて考えたこともありませんでした。生産ラインで1台の加工機を通る間に、ロール状の用紙に糊が塗られ、折られ、圧着され、断裁の加工が施され、DMが完成する。現在のDM加工技術は、生産に携わるメンバーが数々のトライアンドエラーを繰り返して磨きあげてきたものです。
DMに求められる機能はシンプルで、「郵送中に開封してしまってはいけない。でも、消費者の手元に届いた時にはスムーズに開封できなければならない」。疑似接着という世界。強すぎても弱すぎてもいけない接着強度(剥離値)を、紙質も糊の種類も多岐にわたる中で、経験と技術を駆使して品質管理し10年以上無事故を維持しているのは当社の誇りです。自分が担当したDMが自宅に届き、綺麗に開封できた時はやりがいと喜びを感じましたね。
剥離値管理と同様にDMにとって重要な技術がテンション値管理です。テンション値とは製造する機械上の紙の張り具合を数値化したものです。紙を張りすぎると裂けて破れてしまい、逆に緩みすぎれば蛇行してしまい製造することはできません。これまでは人の手で行っていた紙のテンション値の調整技術を、オートテンションという新自動制御機能に置き換える開発プロジェクトに携わる機会がありました。議論・検討を進めていく中で、今まで培ってきた知識や経験の未熟さに直面する日々が続き、無理なのではないか?と諦めかけたことも。そんな中で学ぶことができたのが問題解決へのプロセスです。物事の原点にかえり、情報を整理し、『なぜ』を見つけ出す。上手くいかなかったこと、上手くいったこと、それぞれの『なぜ』を皆と対話しながら追究し、一つずつ要因を地道に潰していくことで問題解決へたどり着くことができる。この経験が現在の仕事に対する考え方の基盤となっています。

メンバーのポテンシャルを最大限に引き出したい。
入社当初は、生産現場の一員として働くことに少し抵抗がありました。入社以前は、和食調理人、食品営業、運送業と、さまざまな業界を経験してきましたが、自分以外の誰かと連携しながら、決められた時間内に生産作業を行う経験が初めてでしたから。まったくの素人だった自分も機械と向き合う面白さに気付き、最近では現場のリーダーを任せてもらえるようになりました。
些細な事でもメンバーと対話するよう心掛けています。特に意識しているのは、メンバーに仕事をお願いする際に「なぜその仕事をあなたにお願いしたいのか」という理由をしっかり伝え、相手に納得してもらうことです。納得してもらうことで業務への取り組み方や心の持ちようが変わりますからね。組織としての貢献はもちろん、各個人の成長にも繋がります。向き合う対象が機械から人に変わったことで難しさも感じていますが、メンバーのポテンシャルを最大限に引き出せるリーダーでありたいですね。

CAREER STEP
- 2016年9月~ DM課 多機能加工担当
- 2023年8月~ DM課 工程管理業務担当
- 2024年8月~ DM課 製造技術改善担当 チーフ
業務内容
版面データが印刷され、個人情報が印字されたロール状の用紙を、糊を塗工→折り→圧着→断裁を経て、ダイレクトメール(DM)の形状に加工する。お客様の要望に合わせた形状のDM作りや、そのご期待に添える品質のDM作りを第一に考える。また、職場環境向上の為、メンバーが声を上げやすいオープンな信頼関係を築くことを大切にしている。